環境診断の方法 2
問題は現代の科学技術をもってしても、まだ人間あるいは他の動植物の生存環境を構成しているすべての要因を計量化し、その上での完全な総合が可能になっていないことです。
自然のシステムは、すでに考察されたエコシステムでも分かるように、直接・間接、見える糸・無数の見えない糸によってはりめぐらされた、いわゆるシームレスの布目のようなものでしょう。
科学的・計量的な分析把握は確かにモダンで合理的であり、個々のデータを量的に知る場合にはきわめて有効な調査法であり研究法です。
しかし、現状では把握しきれない未知の要因がかなり含まれている自然環境を対象とする場合には、分析的な手法だけでは不十分なのです。
一つの細胞・組織・器官・個体はもちろんのこと、同一種からなる集団、さまざまな種が組み合わされて形成されている生物社会の成長・発展・存続。
さらには消滅・後退のメカニズムについて、時間的・空間的・総合的に現在分かっていることだけの資料をインプットしても、そこから出てくる結論にしたがうことは、まだきわめて危険でしょう。