自然界のルール 2
高層湿原では、もともと低温でしかも養分が少ないものです。
貧養・過湿、そして強酸性で植物の遺体が容易にくさりません。
したがって、半腐れの状態、粗腐植の状態で水を含んでいるのです。
このくぼ地状のシュレンケに最初に生育するミズゴケはハリミズゴケ、次いでウツクシミズゴケで、ほかにはヌマガヤなどのイネ科の植物も生育し、さらにアオモリミズゴケが発達します。
他の植物と同様に、これらのミズゴケ類やイネ科・カヤツリグサ科の植物が枯死し、腐らないでそのままたまると、その凹状地がだんだんと高くなってきます。
少し高くなってシュレンケからブルトすなわち小凹状地から小凸状地へと進むにしたがって、イボミズゴケ、ムラサキミズゴケ、最後にはチャミズゴケという具合にミズゴケ類が凸状にとび出した形で生育します。
そこにはヒメシャクナゲ、ツルコケモモ、ポロムイスゲなどがまばらに生育していきます。
だんだんとこれらの高等植物やミズゴケ類の遺体がたまって、かつての凹状地よりも30センチぐらい高くなってきます。
それほど高くなると、もはや中がすかすかの状態で、給水機能もきかなくなり、その中に入ると大人の腰までも水につかるようなミズゴケ湿原の中でも、凸状地・ブルトの先端はきわめて乾燥してきます。
もはやミズゴケも生育出来ないほど乾いた所には、乾いた所にしか生育出来ないハナゴケ類の地衣植物が、こうやくをはったカサブタのような状態で発達するのです。